犬や猫と違って鳴かないし、散歩にも行かなくていい。ワクチンだって必要なし。簡単に飼えそう。
うさぎを飼う人が増えていることに比例し、捨てられるうさぎも増えています。
その前に、よく考えて下さい。
うさぎに限らず、ペットと暮らすということは、その命の責任を持つということです。
動物にも、それぞれ個体差はあります。
ここに書いていることは、様々なうさぎさんに大きく当てはまることをまとめました。
高いサークルを軽々飛び越えるうさぎもいれば、小さな段差さえしり込みするうさぎもいます。
コード噛み噛み大好きなコもいれば、全く興味を示さないうさぎもいます。(多くが好きではないでしょうか)
同じ種類でも、全く同じ気性ではありません。一緒に暮らす前に、良く考えてください。
人には様々な転機があります。予期せぬことや、不幸なアクシデントがあるかもしれません。
大袈裟と思われるかも知れませんが、万が一のときに、小さな命を守っていけるかを考えてください。
一緒に暮らすことを決めたのなら、終生大切に育てて下さい。
仔うさぎを迎えるときは生後8週過ぎた仔にしましょう。
生後6週間ほどで離乳を終えますが、早くに母うさぎから離すと母乳を十分にもらえないために健康を維持するのに必要な腸内細菌が育成されず、胃腸のトラブルが起こりやすくなります。
離乳が完了し、さらに2週間ほどたって腸内細菌が安定してから母うさぎと離しましょう。
一般家庭から仔うさぎを譲り受ける場合は、近親交配がないか必ず確認しましょう。
環境が変わっただけで体調を崩したり、食べなくなったりするうさぎもいます。
迎えてから数日はむやみに撫でたりせずに、そっとしておいてあげましょう。
※斉藤久美子監修ウサギハンドブックより
自治体の動物収容施設や個人で保護うさぎの里親探しをしているところがあります。
大人うさぎは個体の大きさも分かっていますし、性格も分かったうえで暮らせます。
病気の心配も少なく、仕事をされている方は仔うさぎよりお留守番も安心です。
ぜひ、うさぎを選ぶ選択肢のひとつとお考え下さい。
どのペットにも言えることですが、動物と暮らすということは養う家族が増えることです。
毎月のフード代、医療費、暑さ寒さ対策の電気代。特に、うさぎに詳しい獣医は少ないとお考え下さい。
うさぎを診れる動物病院まで行く交通費や時間も必要になります。医療費は意外とかかります。
暑さや湿気や騒音も苦手です。冷暖房を効かせ過ぎることにより季節のリズムが狂って順調に換毛しなかったり、寒暖差がありすぎることで体調を崩すこともあります。
うさぎが快適な温度は、20~25度といわれています。
冷暖房の風が直接当たらないように工夫をしたり、仔うさぎは更に温度管理を慎重に。
急な大音量(雷や車の音など)でパニックになるうさぎもいます。適切な環境が必要です。
アレルギーのために手放す人が増えています。
ペットと暮らす前に、アレルギー検査をしましょう。
ペットショップに行くと目や体が痒くなる、鼻がムズムズする、くしゃみが出る場合は要注意です。
生体に反応するだけでなく、うさぎが食べる牧草(マメ科、イネ科)アレルギーも考えられます。
アレルギーが無くても出産の予定がある方は、生まれてくる赤ちゃんのことや、妊娠出産後は体質の変化も考えられますので、ペットを迎えることは慎重に。
かじったり、掘ったりするのはうさぎの習性。うさぎの歯は一生伸び続けるため、かじることは歯を削るための当たり前の行動です。
柱、家具、壁紙、電気コード。タオルや絨毯、靴や消しゴムなどのゴム製品を好んでかじるうさぎも多いです。
これらの食べてはいけないものを食べることにより、お腹に詰まり死に至ります。電気コードをかじり、感電死したうさぎもいます。
かじってはいけないものは、徹底的にガードする必要があります。
うさぎには換毛期があります。夏毛~冬毛と本来は年に2回ですが、ペットとして家庭で暮らしている場合は年に何度も毛の抜け替わりがあります。
毛を飲み込むことにより「毛球症(もうきゅうしょう)」にもなりやすく、最悪の場合は死に至ります。
こまめなブラッシングが必要です。
もちろん、部屋の中に毛が飛び散ったりと掃除も増えますし、洋服に付いたりもします。
家で飼育されているうさぎは爪も伸びるので、定期的に爪きりが必要です。慣れない場合は、獣医師や専門店にお願いしましょう。
ブラッシングや自分で爪を切る場合は正しく保定しないと、暴れて逃げ出しケガをすることもあります。
うさぎは病気を隠す動物です。表に出した時は手遅れになることが多いです。
普段から食欲や糞の大きさや量、健康状態をチェックする必要があります。
食欲がないと思っていたら、次ぎ見たときには死んでいたということもあります。
体調が少々悪くても、いつも通りに食べていつも通り活動していることもあります。日々の健康チェック、微妙な変化に気付くことが大切です。
嫌なことがあるとかんだり引っ掻いたりすることもあります。
強くかまれると、カッターで切ったように深くスッパリ切れます。
発情したり縄張り主張をするとオシッコを飛ばす(スプレー行為)うさぎもいます。
普段のオシッコと違い、臭くて服に付くと取れないこともあります。
1匹飼いでない場合はオスメスに関わらず、ケージを分けましょう。
相性にもよりますが、大怪我(時には死ぬような)をするような喧嘩をするうさぎもいます。かわいいだけの動物ではありません。
うさぎは臭くありません。
学校飼育などで、うさぎは臭いと思っている人も少なくないですが、臭いのは糞と尿です。
マメなトイレの掃除や、雑菌を防ぐために食器や給水ボトルを洗う必要もあります。不衛生にならないように、毎日のお世話が必要です。
一般の家庭では限られたサイズのケージで暮らすことになるでしょう。
狭いケージで暮らしていると、運動不足による肥満や、退屈からストレスがたまり、病気の原因にもなりかねません。
最低でも1日に1回、ケージから出して遊ばせたり、コミュニケーションをとることで仲良くなることが出来ます。
しかし、部屋の中には口にしたら危険なものがあったり、高い所に登ってケガをすることも。十分に注意する必要があります。
生後4ヶ月ころから妊娠が可能になるため、オスメスは必ず離しましょう。
一瞬(20~30秒)で交尾が終わります。
「出産すると子宮の病気にならない」と言う間違った噂も聞きます。
特に、人間同様出産は簡単なことではありません。出産により亡くなる母うさぎや、産んでも育てない母うさぎもいます。
難産により、仔うさぎの体が千切れても無理やり出さないといけない場合もあります。
1ヶ月ほどの妊娠期間で、多産で10匹以上生まれたりすることもあります。安易な繁殖はやめましょう。
病気予防及び発情行動におけるストレスの軽減、望まない繁殖を予防する為、信頼出来る獣医師を見つけ、不妊手術をすることをお勧めします。
犬や猫に比べたらまだまだ短い兎生ですが、7年~10年の寿命と言われ、最近では獣医療の発達で10年を越すうさぎも多くいます。
ギネスでは18年、日本でも17年のご長寿さんもいました。
10年もあれば、生活環境の変化や予定外のアクシデントもあることでしょう。
途中で病気になったり、介護が必要になるかもしれません。長い目で、最後まで責任を持って飼えるかを考えましょう。
うさぎは、抱っこが出来るコばかりではありません。むしろ、出来ないうさぎの方が多いでしょう。
正しい抱っこや保定方法を飼い主が取得する必要があります。
人間が思うようになついてくれるとは限りません。根気強く、献身的にお世話をすることで、時間はかかっても心を開いてくれます。
インターネットで入手できる情報を、丸まるアテにするのではなく、うさぎに詳しい獣医に相談すること。
様々な情報が氾濫しているので、鵜呑みにせず、くまなく調べる事が必要となります。
うさぎと一緒に暮らすデメリットも書きましたが、ここに書かれていることだけではありません。
もちろんデメリットばかりではありません。たくさんの方が、うさぎとの幸せな生活をされています。
しかし、旅行や外出の制限も、病気の時は仕事を休まないといけないことも出てきます。
初めてうさぎを迎える方はもちろん、久しく飼っていなかった方も、最新の飼育本を最低でも2冊は読むことをお勧めします。
「かんたんな生き物」はいません。
一緒に暮らす不安材料があれば、飼わないという選択もうさぎのためになります。
うさぎの大きさを考慮して選びましょう。仔うさぎも半年すれば大きくなります。
トイレなどを置いても、ケージの中で手足をいっぱい伸ばしても十分ゆとりのある大きさで、立ち上がることが出来る程度の高さが必要です。
牧草は、うさぎになくてはならない食べ物です。うさぎの主食は牧草です。牧草を食べることで歯が削れ、歯の病気を防ぐことも出来、お腹の調子も左右します。食べ放題にしましょう。
ペレット(固形フード)は複数の種類が出ていますが、うさぎの健康に配慮がないものもありますので、注意しましょう。
牧草がメインになる食生活をお勧めします。
野菜多めの食生活も見直されています。
分からない場合は、うさぎに詳しい獣医師やうさぎ専門店に相談するのもいいと思います。
ケージに備付けられるボトルが一般的ですが、ボトルが苦手なコもおり、置き型の水容器も販売されています。
ペレット入れは、ひっくり返さない安定したものが使いやすいです。
市販の三角トイレ。オシッコが飛ばないように背もたれが大きいものや、四角いトイレもあります。
プラスチックを噛むコもいますので、その場合は陶器のトイレもあります。
トイレシートやトイレ砂を食べるコもいます。これらは、水を含むとお腹で固まったり膨張して、お腹が詰まる原因にもなるので、使用には注意が必要です。
おやつは食べさせないといけないものではありませんが、コミュニケーションをとるためや、食欲が落ちた時の食欲回復、投薬のために必要な場合もあります。与えすぎには気をつけましょう。
油で揚げているようなものや着色料・添加物が入ったものもあります。人間の食べるお菓子はもってのほかです。
副食としての野菜や果物、野草やハーブ類、天然の乾燥おやつ、添加物の入ってないものを選びましょう。
但し、うさぎが食べてはいけない野菜(ネギ類やイモ類など)もありますし、野草も毒性を持っているものや、公園などで採取すると薬剤や犬猫のフンなどで汚染されているものもあるので注意が必要です。
必ず、食べても良いものを確認しましょう。